| ■フットサルとサッカー
私もそうですが、初心者にフットサルをイメージしてもらうとき
よく 「ミニサッカー」 という言葉を使います。
あくまでサッカー未経験の初心者や女子への理解の為に使うのですが、
困ったことにサッカー経験者に対しても ”自分がやってきたサッカーの延長”
という誤解を与えることに繋がっているようです。
『フットサルは高度な ”組織力” によって成り立つスポーツ』 です
「ビギナークラスどまりのチーム」 と 「オープンクラスでも戦えるチーム」
「サッカーをやっているチーム」 と 「フットサルをやれるチーム」
勝敗を大きく分ける共通の要素がここにあります。
そこでフットサルにおいて致命的なサッカー選手のクセを
より顕著に現れている攻撃の例を基に考え、違いを見出す ”きっかけ” を作りましょう。
◆安易に前を向く
サッカー慣れしているのでしょう、皆ボールを受けるとき、また受けたあとすぐに敵陣を向きたがります。
フットサルはその性質上必然的にDFとの距離は近く、プレスも早いです。
つまりフリーでボールを受けられる状態=前を向いてパスをもらえる機会、
ボールを後向きで受けてから振り向けるチャンスはそれ相応に少ないのが当たり前です。
状況を把握できていない安易な行動は敵DFの恰好な餌食となり、
チームの獲得した攻撃権を見す見す相手に明け渡すことに繋がります。
◆ドリブルの多用/一人で勝負したがる
サッカー経験者にとって半ば逃れられない ”さが” なのかもしれません。
理由はプレー環境に対する ”誤解” と多かれ少かれ自分のプレーに対する ”過信” です。
サッカー経験者またはサッカーを見慣れている人はボールを持つと
一人でその局面を打開しようと積極的に敵ゴール目指してドリブルで前進します。
サッカーなら多少無理があっても迫るDFを体で跳ね除け強引に突破を試みるのは
”あり” ですし結果も伴います。
しかしフットサルではそもそも相手を寄せ付けないテクニックである
手を積極的に使う行為やショルダーチャージ自体 ”反則” となるので使用できません。
またそれはDF側にも言えることで ”相手が強気のDFを出来ない” ことを利用して
突破するのだと考える人もいるようですが、
ドリブルつまりボールをコントロールしながら相手をかわし、抜き去らなければならないOFと
フィジカルコンタクトが無理でも相手が向かって来てくれるところにタイミングよく
足でボールに触れ、一時的にしろ前進を阻止すればよいDFとで
立場、状況の優位性が 「OF>DF」 となるはずがありません。
フットサルにおいて敵ゴールに向かうドリブルスペースなど無いに等しいのは誰の目にも明らかです。
一見スペースだと思えても数歩でDFはコースを塞げます。
詳しくは後述しますが、相手DFに対する 「陽動」 や味方にスペースを与える 「移動」 以外の
無謀に前進を試みる 「突破」 のドリブルはフットサルにおいて基本的にタブーとされています。
●補足: ボールコントロール/ドリブル →
◆球離れが遅い
これも感覚的な違いによるものです。
具体的なデータは後で紹介していますが、フットサルコートは狭く
サッカーとは比較にならないほど ”早いプレス” を受けます。
つまり要求されるのはそれに応じた早い ”判断力” そして ”行動力” なわけです。
ボールを止める、一箇所に留めるという行為は敵に対して ”DFとして必要な行動” を
とらせる充分なスキを与えるのと同じことです。
DFの思考(後追いの場合)は以下が基本です。
@ターゲットを探す/定める(ボールを保持している敵FPに対して)
A状況を判断する(自分が行動すべきと決断)
B行動する(プレスをかける/ボールをとりにいく)
もちろんインターセプトの危険の高い安易なパスやミスキックに繋がる行動は避けるべきですが、
DFにターゲットを定めさせない、行動をとらせない、遅らせる為の
「牽制」 としてのパス回しはフットサルにおいてサッカー以上に重要となります。
◆強引なシュート
普段サッカーをやる人、見る人、皆決まってゴールが見えたら強烈なシュートを狙います。
しかし冷静に考えてそのシュートの一体どれほどが得点になるのでしょう。
サッカーのゴールとフットサルのゴールは大きさが違います。でも守る人GKは同じです。
この違いを考えれば ”工夫のないシュート” の決定率が低いのは明らかです。
この人達に言わせれば 「フットサルはチャンスも多い」「いつか入る」 ということなのかもしれませんが、
フットサルにおいて ”チャンスと危険は紙一重” であることを考えれば
一つのチャンスを確実に ”活かす” 努力ができなければ危険が増すだけです。
例外として、戦略的意味のある「打って終わらなければならないシュート」 を除いた
”入る根拠のないシュート” は、カウンターを受ける危険に加え
攻撃参加、サポートした味方の ”士気” と ”体力” を奪う結果にも繋がります。
◆浮き球のパス
それ自体が ”いけないプレー” ではありません。
ただ使い方がサッカー流では ”役に立たない” 場面が多いのです。
浮き球パスは以下の問題をクリア出来なければ ”パス” として成立しません。
<出し手>
− 蹴るときに「踏み込み動作」が必要 = 遅い = タイミングを読まれる
− プレーヤー間の距離が近いためパス自体をDFの体にブロックされやすい
<受け手>
− 胸トラップ/足トラップいずれもDFに詰め寄られる隙を作る
− ミスしやすい(ダイレクトプレー/トラップ)
フットサルでも浮き球は使います。しかし用途に伴い蹴り方が異なります。
●補足: ガンショ →
そもそもパスとは ”出し手” と ”受け手” との間でボールが移動し終えて始めて成立する行為です。
フットサルコートは狭く、サッカーより強いプレスを感じながらのプレーの中でもそれは変わりません。
浮き球によるパスは ”受け手” に対し、トラップにしろシュートにしろ
難度の高いプレーを強いることになります。
グラウンダでのパスコースが無い状況は理解できても、相手の置かれている立場を考えない
「無責任なパス」 としてそれを選ぶのは避けなければなりません。
●調和のとれないサッカースタイル
フットサルにおいてもっとも危険なのは、サッカースタイルを固持する人の 「認識のズレ」 です。
つまりサッカーで通用してきたそれらがフットサルでも ”通用するはずだ” とする考えです。
しかし例外もいます。
本当に優れたサッカー選手は、多少のクセは残ってもフットサルというプレー環境に対して
柔軟にスタイルを変えて対応しています。
要は客観的に自分のプレーを評価できない人、また中途半端にサッカーを知ってしまった人が
フットサルでの 「不調和」 を感じ取れずに ”オレ流” を貫いてしまうのです。
これは著しくチーム力を下げます。
技術、戦術云々の前にチームとしてプレーするメンバー全員が
この事実を理解できていなければ上達は有り得ません。 |