A伝える
・何を伝えるのか
事前に決めた練習プログラムを基に練習を進めるには
各練習前に説明を加えなければなりません。
練習効果の上がらない有りがちなパターンとして
説明が「やり方」を伝えるだけに留まってしまうものがあります。
やり方だけしか伝えないと練習は”機械的”になります。
当然機械的な練習からは何の効果も期待できません。
それは練習がゲームという本番に成果を上げる目的で行うものであり
ゲームは練習のような”A→B→C”というように機械的には展開しないためです。
よって”実戦に活きる力=練習で学ぶ基本形を応用する力”を身につけるには
メンバーがそれぞれの練習の意義までを深く理解することが必要となり
それを伝えるリーダーの能力が問われることになります。
やり方以外に伝えなければならないものには
「目的」「ポイント/注意点」などがあります。
目的は”なぜこの練習をするのか”
決めるに至った”経緯”から最終的な”狙い”とその”効果”までを明確にすることで
メンバーにはっきりとした方向性を示し不安を取り除きます。
ポイントや注意点は理想形に近づけるためのアドバイスであり失敗を避けるための要点です。
・どう伝えるのか
「伝える」とは何でしょう?
人に向かって”言う”ことでしょうか?
違います。人に”理解してもらう”ことです。
これはパスと同じで相手に向かって蹴ることがパスではなく
結果抜きに相手がそれを感じ取り意思の疎通ができてパスと呼ぶのと同じです。
練習では自分の中でどんなにプランがあり理想が描かれていても
伝わらなければ効果はゼロで、自分に出来てもメンバーができなければ無意味です。
では理解される伝え方とは何でしょう?
話し手の説明が要領を得ているかどうかは抜きに
何よりも大事なのは聞き手の受け止め方に注目して
「相手の立場に立って話す」ことができるかどうかです。
これをさらに二つのポイントに分けると
はじめは「技術的に」難解でないこと、つまり一般的に「技術」「知識」「経験」で優れていて
既に”理解している”話し手の視点で話さないということで
専門用語や内容の省略などで聞き手に混乱を与えないよう順序よく話すのがポイントです。
次に「感情的に」理解される話し方を選んでいるかという点で
対等であるべきチームメイトに対して
激しい口調や命令形を用いたり、押し付けと感じる話し方をしていれば
内容への理解以前に聞き手は嫌悪感・反感を抱いて受け入れを拒否します。
逆に聞き手が”自分の為に精一杯努力してわかりやすい言葉を選んでくれている”
と感じれば、相手もそれに応えようとしてくれるはずです。
重要なのは人に何かを”してもらおう”とするならば
まず自分が何かを”してあげる”ことであり
人に動いてもらいたいならば「〜しよう!」と自分が先頭に立ってやることです。
これらの行動にはすでに説明した「驕り」は天敵なのです。
・問答による進行
既に述べたようにメンバーが説明を聞いて手順を”覚える”だけなら意味はありません。
重要なのは”考える”ことで真の意味を理解することです。
よって不明な点や疑問は必ず聞くように促しましょう。
また長い説明になると集中力を保って聞く姿勢を維持できなくなりますので
すべてを自分で説明するのではなく、
質問を投げかけその答えを説明や解説に繋げる「問答方式」を用いると
説得力や説明の段階で一体感が生まれて効果的です。
例えば
「これからOF二人DF一人の2対1をやろうと思うんだけど
みんながゲームでOF・DFそれぞれの立場で注意してることって何だろう?
もしこれまで意識できてなかったとしてもそれはそれでいいんだ。
気をつけた方がいいなと思うことに今気づけたならそれを教えて欲しい。」
などです。
この方式の注意点は以下のとおりです。
注意点1:”メンバーの答えを否定しないこと”
例え”期待した答え”と異なっても意見を否定したら次に質問しても答えてはくれません。
これは積極性を高める狙いから反れてメンバーのやる気を削ぎ消極的にしてしまいますので
最も気をつけなければならないところです。
そもそも自分の用意した答えが絶対であることもないので
メンバーからの意見は肯定的に受け入れ、方向性が異なる答えであったなら
否定を伴わない修正として
「それももちろんいいことだけどパスを受ける味方の立場を考えると○○の方が
もっと安心感を与えられるかもね。だからここでは○○を試してみよう。」
と相手の意見を尊重しつつ別の選択肢について理由を付加した上で説明します。
この場合、納得できないメンバーがいても
”とりあえずこうしてみよう、やってみてもっといい方法があればそれを試そう”
と柔軟性を示すことで最大限反発は回避できます。
注意点2:”最後にポイントをまとめる”
問答方式は説明の中でも互いが積極的に意見を交換できてよいのですが、
物事の順番やポイントの優先順位がごちゃごちゃになってしまうので
最後にリーダーは列挙されたポイントを整理してから練習をスタートさせましょう。
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